双極性障害の治療法

双極性障害の治療において薬物療法は重要な位置を占めています。双極性障害は一度発症すると完治する例が少なく、何らかの形で治療を続けていくことが効果的となるからです。薬を飲むという方法はもっともシンプルな方法のひとつであり、どんな人でも試すことができます。
双極性障害の薬物療法で主要な薬剤にテグレトールがあります。この薬はてんかんの治療に広く用いられています。脳機能の一部を阻害することにより、てんかん発作を抑えるものです。即効性のある薬ではないので、てんかん発作をすぐに停止させるものではなく、飲み続けることでてんかん発作の発生を防ぎます。テグレトールが抗てんかん薬として承認されたのは1960年代ですが、その後、双極性障害における気分安定効果があることが臨床現場で検証され、1990年に双極性障害に対する効能が追加されるに至りました。とくに躁状態を抑制する効果に優れています。双極性障害の治療においても即効性があるものではなく、継続的な服用が重要となります。
テグレトールをめぐる問題としては妊婦への投与の是非があります。妊娠中にテグレトールを内服し、生まれた児に二分脊髄などの障害が現れた事例があるからです。現在の添付文書には、妊婦への投与は「治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること」とされ、妊娠中の女性への禁忌ではありませんが、見解は医師によって極端に分かれます。完全に断薬して双極性障害が悪化すると出産に差し支えがでることが考えられますし、他の薬に変えるとしても、リーマスやデパケンなど主要な双極性障害治療薬は妊娠中の女性に投与禁止となっているため、どういった薬を用いるかが難しいというのが現状です。